【出張買取】東京都大田区にてNIKON S3 他を出張買取にてお譲りいただきました

『NIKON S3』

ニコンS3は、昭和33年3月(1958年)~昭和35年10月(1960年)に製造されたもので それまでのS 2の後継機種であるとともにSPの普及機種との位置づけされたカメラでございました。
生産台数は12.000台。
レンズはボディがクロームですとニッコール(NIKKOR-S)5cm F1.4 または 5cm F2が標準で付いていたようです。
少数生産されたボディがブラックとなりますと5cm F1.4が標準にてついておりました。
昭和35年に一度生産を中止したS3ですが昭和39年に東京オリンピックの報道機関用カメラとしてブラックボディで再生産されました。手元の資料では完全な再生産台数がわからないのですが約2000台ほど生産されたようでございます。
レンズはブラックペイントの50㎜ F1.4と元々のS3と見た目のブラック以外変わらないように思いますが、ちょっとマニアックなお話とはなりますが旧型のゾナー型からガウス型5群7枚の物に変わっております。
マニアックなお話のついでにこのオリンピックモデルにはフィルムサイズをハーフサイズにしたものが存在いたします。
ところで、ハーフサイズって?とカメラのことをあまり知らない方に説明すれば、
通常のフィルムサイズは36mm×24mmなのですが、その半分のサイズ17mm×24mm(または18mm×24mm)にしたものということです。
昔々はフィルム代の節約といった側面だと私は理解してますが通常の倍撮れるこのハーフサイズ仕様の一般庶民向け小型カメラ(オリンパス ペン、リコーハーフなど)が多数販売されておりました。私も昔々使っておりました。その独特な写りに面白さを感じて出かけるときはバックに入れていたりもしましたね。
さてさて話を元に戻しますと、このオリンピック、ハーフサイズモデルはS3Mというモデル名でして、なぜハーフサイズにしたかと申しますと上記の小型カメラとは別の考えの元設計販売されたのですが、要はオリンピック競技の動きある被写体をモータードライブでの高速連写撮影を可能にするために必要な変更(改造?)でございました。
しかもこのハーフサイズのオリンピックモデルはボディカラーがブラックとクロームモデル合わせて一説には165台しか生産されておらずその圧倒的存在数の少なさからかなりの高額での取引となっております。
この原稿を書いている私が中古カメラの世界に入った20数年前は美品のもので当時の中古カメラ市では100万円ほどの値段が付いておりました。現在でも100万円を超えた売値にて出ているそうですが、、、
数年前までは中国や中東の裕福なコレクターの方が購入したそうですが今の世界経済的に見れば、、、うーん。(汗)

さて、そんなS3でございますが実は2000年に復刻生産をいたしまして、、、
そのことにより当時物のS3の中古相場は下がり続けてまして
その上、近年ではその復刻版も販売から20年が経ち中古市場にもそこそこの数が出てきてきてしまいまして、
市場原理から申せば当たり前といえば当たり前ですが、市場にあふれ出した物の価値は下がるのが道理。
結果、悲しいことにオリジナルS3は20年ほど前は美品ですと30万近い中古相場でしたが現在では美品に近いまぁまぁのコンディションの物でも10万円ほど、使用感のある傷が多い個体ですと現状販売5万円というものも見かけますし以前某カメラ店で4万円(状態はよろしくはありませんでしたがレンズ付きで、、、)というのも見かけたことがございます。
現状販売にせざる負えないのはカメラの修理が出来る腕の良い職人さんが減ってきていることとその修理や調整代がそこそこのお値段(たとえばシャッターの修理で2万円から)ですので、あそこもここもと修理や調整などしてしまうと、、、実勢販売価格を超えたりします。
中古カメラ販売側からみますと販売価格にその職人さんへの修理調整代を上乗せすることができないからということが一番大きいかと思うのです。
あ、、、他にも色々と書きたいことはございますが、あまり業界内の事情を書いてしまうと関係方面から怒られてしまうかもしれませんのでこの辺で。

ご家族がお集めになっていたカメラなど発見いたしましたら誠意査定、買取をさせていただきますので、是非キタロウ商店までご連絡いただけましたら幸いでございます。